不断のリズム・・・ アンケートより


 公演後にいただいたアンケートの中から、御感想の一部を掲載させていただきました。

 『何かの理由で傷ついた子供(達)の脳の中の世界』 と、見ている途中でふと思いました。
 おもしろかったです。見ている途中でなぜか裸の足が見たいと思いました。
 ずっと続けるのはひょっとしてしんどい世界かもと思いますが、1、2回、由さん が横を向いているときの視線のずっと先の世界を見てみたいと思いましたので、でき たら続けて下さい。
 シュールレアリスムの女性の画家の少女の逆立ちの絵「休息」につながるような空 間のような。
(川名 千秋さん)

 次も見てもっと考えます。
(岸本 つよしさん)

 もっと見ていたいカンジがありました。
 作品の意図もあるのでしょうが、その場の体による突発的感情にもっと身をゆだね てしまってもおもしろかったかも、というか、そういう体をもっと見てみたいと思い ました。
 しかし体と場を構築していく過程はとても興味深いものでした。
(椎名 利恵子さん) ▲ページ先頭へ

 1時間の踊りを身じろぎもせず見てしまった。ピーンと張り詰めた空気の中で一時 も止まらない流れるような踊りに見入られてしまったようです。
 見ていて僕なりの題が浮かびました。「亡き子へのレクイエム」。
 こう感じたわけはいくつもあります。まず冒頭の由さんの動き。足元まである長い 白い衣をまとい、手に枯れ木を抱いている。そう、抱いているのです。左手で木を支 えて右手で木を抱きかかえるようなしぐさ。これは赤ん坊を抱くときの手の動きで す。そして静かに、虫の声が流れる中、ゆっくりと体をかがめて枯れ木を床に置く。 ほんとうにそっと慈しむかのように置いた。そのあとの踊りは枯れ木を操っているの だが、視点を枯れ木に集中して見ていると、まるで目に見えない力によって枯れ木が 降り回され、それを離すまいとして逆らっているかのような激しい動き。髪を振り乱 し、渾身の力を振り絞って、あの世へと連れ去られようとしている我子の魂を、必死 になってつなぎとめようとする母の姿に見えました。
 そして突如力が抜け床にうずくまり、まるで悲しみにもだえ苦しむかのように床を 転げまわる。
 この場面、人々の呟きのようなざわめきが激しくなるとともに、僕の脳裏には、毎 日見せられているアフガンでの戦争の映像が、そして9月11日のテロの映像が2重写 しのように繰り広げられました。そうあの戦争で何万という人が死んだのではない か。そしてその死者の数だけ我子を失って嘆き悲しみ苦しみもだえている母がいると いうこと。今もこうしているさなかにも、たえず悲しみは広がってゆく・・・・・。
 悲しみの余り苦しみもだえて床を転げまわっていたとき、ふと手に触れた枯れ木を 抱き上げ、そしてそのままギュッと胸に抱きしめる。あまりに強く抱きしめたため に、枯れ木は乾いた音をたてて折れてしまった。我子と思って抱きしめたものは、そ れはすでに朽ち果てた白骨であったかのように。
 そのあとの狂おしいほどの踊りの中でたしかに死者を弔う葬礼の鐘が激しく鳴り響 くのを聞きました。激しく荘重に、地上にも地下の国にも天上にも響けとばかりに鳴 り響く鐘の音を。
 そして、あまりの悲しみに身も心も張り裂け、苦しみもだえた母は、地に倒れふ し、そのままあの世へと旅立つ・・・・・・・・。

 以上、今日の踊りを見ての、僕の勝手な想像です。
 「不断のリズム・・・」という題で、どんな踊りになるのかと思っていましたが、 久しぶりに動きがあり音と踊りとが一体となった、静寂な中にも激しいもののある踊 りでした。
 照明も効果的だったと思います。特に最後の方で、激しく身を躍らせ髪を振り乱し たる由さんの表情が、光りの中に浮き出したとき。怒り・悲しみ・やるせない思い。 全身で表現されているとともに、遠くを見つめた目が、もっともそれを雄弁に物語っ ていたように思います。

 また新しい境地を開いたような気がします。次回を楽しみにしています。
(コアラさん) ▲ページ先頭へ

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