包含 アンケートより


 公演後にいただいたアンケートの中から、御感想の一部を掲載させていただきました。

 中腰とか、立ちあがり気味になってくると、包む布のほうも重力で広がって、中に空間ができて、 あもしろかった。その状態でのうごきの時間をもっと見たかったと思うけど、多分由ちゃんの意図 は、違うんでしょうね。
 余りうごいていなくても、でもからだの中に引きこもっていないように観客に感じさせるのは、 難しいですよね。うごいている量は多くなくて静かでも、体が持っていたり聴いていたりする情報量 が多いと、(うごきとしてみえなくても)からだと、そこになることと、空間の間に何か温度みたい なものができてくるのかと思います。そう感じる瞬間もあったし「もっと!」と思うときもありました。
 planBではない、この黒で囲まれたスペース、由ちゃん合ってるかんじがしました。
(くにえさん)

 半透明のナイロン地の布にくるまって赤いワンピースの木村が横たわり、ピンスポ一個 で照らされている。ジッと、しつこいくらい動かない。最後に立ち上がるまでこの布か らは出ないで、うずくまったまま、小さく動くというより時々手脚の位置を動かしたり するだけ。ナイロン越しだから身体の息づいている様子がよく見えないというのもあるが、 布が全然踊れていないのが痛い。ただ物理的に包まれているだけで、身体的にコミットしてない。 どちらかというとコンセプトのまさったインスタレーションを強制的に見せられてるみ たいだなと思ったら、チラシに「ダンスでなく展示物なのかも」と書いてあった。わか らないでもないが、単純なストイシズム過多に陥っている。これじゃ埒があかない。
dm_on_web 日記より(武藤 大祐さん)

 面白いダンスだったと思います。いや、「あれってダンス?」と言いたくなるくら い、異色のダンスだったかな?。
 真っ暗な空間の床に、たったひとつの白い袋がおかれて、光りに照らされている。 中に人が入っているのだろうが、最初しばらく(何分ですかね?。10分くらい ?。)身じろぎもしないので、このまま1時間何もしないで終るダンスかと思って、 少し不安になったほどでした。
 不安なざわめいた風の音の中に、その白い袋は置かれている。その内に水の音が流 れてきた。「これは子宮の中を描いているの?。ということは羊水の音?。」という イメージが沸きました。でも照明が少しづい変化し、袋の中の由さんの姿がほのかに 見えてきて、ゆったりとした体の動きが続くうちに、違ったイメージがわいてきまし た。
 「もしかしたら、これは人生そのものを描いているの?。人はみな、自分の足で 立って、自分の意思でどこかへ向かって歩んでいると思っているけれど、実際は、 もっと大きな何か目に見えないものの中に包まれて、人はその中で、生かされてい る、守られている。そういうことを描いたのかな?。」と。
 いや、そうではなく「やはりこれは子宮の中。外がどんなに騒がしくとも、この中 は一定の温度に保たれ、胎児は羊水の中でゆったりと浮かんでいるだけ。人はみな、 ここからは出たくはなかったんだ。生きるってことは、結局何かから守られるのでは なく、そういう境遇から踏み出して行くことなんだ」という思いも、心の中に浮かび ました。
 他には、「これは生と死をあつかったものだ。生まれる前は、静かなゆったりした 空間の中で、時間もゆったり流れていた。でもこの世に生をうけると、そうはいかな い。さまざまな動きの中で、この自然のリズムは失われて行く。・・・死ぬってこと は、もう一度この生まれる前の、自然のリズムの中に戻っていくのかもしれない。」 などという思いも、流れていました。
 とにかくいろんな思いが体の中を流れ、白い袋の中の由さんの動きを凝視しながら も、そこに引き込まれていったようです。  ふと気付くと、自分が呼吸していることを忘れるほど、呼吸が静かになり、心臓の 鼓動もゆったりしているのです。見終わってみると、体の芯から、ここちよい状態に なっていました。

 今回の踊りは、映像としても美しいですね。真っ暗なバック。白い半透明な布の袋 が,真上からの1灯照明で、美しく輝いている。そしてその中のダンサーの衣装の 赤。映像の色のコントラストがすごく良いのです。
 あとちょっと不思議だったのが、由さんの体がすごく大きく見えるのです。手を ぐっと伸ばした時などは、手がものすごく大きく伸びていったように見えて、袋の中 にダンサーとは別の何かがいるかのような印象も受けました。

 よくでてくる「シャカシャカ」というせわしない動きがなく、全体がゆったりした リズムで構成されていたことも、心地よさの原因かもしれません。

 とにかくこの1時間あまりは、とても心地よかった。落ちついた、哲学的な、静か な時間をありがとう。次回も期待しています。
(コアラさん) ▲ページ先頭へ

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