上田みゆきちゃんのはなし アンケートより

 公演後にいただいたアンケートの中から、御感想の一部を掲載させていただきました。

写真[上田みゆきちゃんのはなし] マユ マユ マユ
自分の考えや思いで自分の身をつつみ、安住する。
しかし、それはあまり長く続かず、マユにつつまれてはそれを自ら剥ぎ、またつつみと繰り返してゆく。
記憶や思想までもが遺伝したならば…
その脱皮は、どんなものなのだろうかと想像しつつ見させていただきました。
(Safaさん)

まず、今まで蟲を観ていた人、誰もが驚く題目「上田みゆきちゃんの話」。ずいぶんくだけた題目である。正直、観るまで舞台内容は想像がつかなかった。

そして、観た時。
今の木村由はどんな題目でも蟲で表現できるのではないか?
そう思わずにいられなかった。

スポットライトの脇から忍びでてきた、赤いリボンと懐かしげな服を着た上田みゆきちゃんらしい人物。
うっすり笑顔を浮かべつつ、蟲独特の演技が始まる。
演技が進むにつれ、表情が次第に少女に変わる。
ここで明らかに木村由は新しいキャラクターを構築していた。
そして、無音の中、服を脱ぐ独特の間。
白いシャツとパンツでレースの中につつまれる。少女の回想を思わせる動き。(最近の木村由の十八番と言っていいのではないか?)リボンが取れていく事で少女から女性への変化を見せる。
子供の頃良くした動き、前転。
そして意図的か?倒立を三度繰り返す。
これも子供の頃、誰もが挑戦した事。
三度目に成功。そのまま足を開き、終焉。


子供のおぼろげな思い出の世界を蟲の動きで表現した。
初めて観る世界だった。
音楽も回想(子供の声)の様な音も一切使わず、不必要な物を削った少なめ目の音で観るものを引きつけた。

木村由しかできない「上田みゆきちゃんの話。」

これは実在する上田みゆきさんに対して、現在の木村由が発する強烈なメッセージだと感じた。
(松永 歩さん)

写真[上田みゆきちゃんのはなし]  とても面白く見させていただきました。
 特に、前半の可愛い服を着た少女から、後半の白い服を着た女への変身は鮮やかでした。
 この少女はきっと昔の由さんなんだなと思いましたが、小さな女の子が、目の前を飛ぶ何かを追いかけて野原を走っているようで、最初に流れた「子どもたちの声」とあいまって、何かを追い求める少女の声が聞こえて来るようでした。また一方では踊りをおどっているようでもあり、とにかく、目の前に懐かしい情景が浮かんでは消えていました。
 この少女時代から女へとどう変身するのだろうと思っていましたが、まさか、まるで蝶が脱皮するようにして、少女の服の中から女が現れるとは。
 鮮やかな変身でした。一回転して。そしてその後の踊りが前半と一転する。
 綺麗でしたね。白い薄布に由さんの体が包まれていく状況は。夢の中を浮遊しているようでもあり、はたまた、さまざまなしがらみにからみつかれてもがいているようでもあり、不思議な光景だったと思います。
 最後の三点倒立はなんだったのでしょうか。
 今までの模索を踏まえて、来年はまったく違ったことに挑戦するぞっていう宣言のようにも見えました。
 全体として流れるような構成で、見ている私の心の中で、次々と湧き出す言葉によって、物語が生まれてきました。
 ふと思ったのですが、由さんの踊りは極めて演劇的でもあり、絵画的でもあるのではないかと。一瞬一瞬の動きがとても綺麗で照明の効果ともあいまって、美しくかつ深い味わいがあります(この一瞬の写真を撮ってみたいといつも思います)。
 表現する人の心の中の軌跡が、眼の前に、流れるように描かれていたというのが、見終わったときの感想です。
(コアラさん) ▲ページ先頭へ

由さんの舞台を見たのは、多分裕子ちゃん出演中以来で(ほんとか?)その何年かの間に何が起こったの?と言いたくなるほど衝撃的でした。作品がこんあに変わった事を観客になるまで気が付きませんでした。変わらないものがあるからだね。
ほんとに良かった。

舞台各部分について西的分析?

ワンピースを着た由さん登場 にへっと笑いが出ちゃった
ワンピースで動く由さん。 ちょっと退屈する
ワンピースで客席に寄ってくる。 顔に注意がいく。体の動きは、ざらざらしてるなぁと思う。
ワンピースを脱ぐ由さん。 はっとする。
ワンピースの脱ぎ方。 手をばさばさと抜く。その脱ぎ方しかないだろうと思う。
布の中に居る由さん。 顔にまた注意が何回かいく。
ワンピースを着ている時との違いにも目を引かれる。
汗なのか、水から出てきたみたいな表情

布を漁師の網引きのように手繰る。 (このあたり、言葉なし)
布から出て、前転する由さん。
倒立する由さん。傘のように開く足 傘を想像させた、このラストが凄く好き。
妖怪からっかさのような、愛らしさと存在感が漂う。

見終わって、いろんなことが思いめぐった。女性には、リアルに訴える舞台だったと思う。
もちろん男性にもそうなのだろうけど、生で見て良かった。これを残す形にしたらどうなるだろうとは、思うけど、つくづく生で見といてよかったと思う。やっぱり生ものなんだなと。
ストーリーが、昔話の領域なんだと思う。誰が見ても、匂いのように何かしら感じられる、お話の厚みがあった。私個人としては、由さんの思うつぼで見ていたんだと思うけど。
凄くパワーをもらえた舞台でした。ありがとう。
(西さん)

 ストーリーがわかりやすかった(自分なりの解釈だけど)。ものすごい迫力だった。こんな蟲は初めて見た。さいごにドレスをきてくれたら最高・完結という気がしたが、倒立は、それに代わるパフォーマンスとして充分だった。体のやわらかさにも驚いた。 (ゆうすけさん)

懐かしい気持ち、ハッとする新鮮さ、うつろう 共有できる記憶というものがあるのかもなぁと思いました。
凶気とか郷愁とか…誰の胸にも自覚してか無自覚にか抱くものはあるのでしょう。
初めのスポットから前進してくる時、何とも切なくなるのです。
そこからワンピースを脱ぐまで、いつになく優しさを感じました。
ボタンをはずすところが妙に好きで、優しさより力強さ、ベクトルが発する方に向いて、客観的にはドキッとする反面、包まれる→えぐられるような気がしてなりません。
(ななくもさん) ▲ページ先頭へ

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